つれづれなるままに。。。, 女性 女性性

福島の卒業生から

あの日、東京ビッグサイトで開かれる癒しフェアのブースで、一日中お客様の透視リーディングセッションをしていた。全くもって無名の、会場のメインエリアから外れた私のブースに、2時間待ちの行列ができていた。1日目に立ち寄ってくれた方々の口コミのおかげだった。

主催者やら業界の関係者たちも覗きにきて、ビジネスチャンスを狙って連絡先を置いていく人がいたが、当の本人は肉眼を護るために目を瞑り続けて第3の目で見ていくため、挨拶など殆どできない。

ご存知の方は分かると思うけど、私は滅多にコラボレーションはしないし、広告宣伝も打たない。信頼できる方とだけコラボする(あ、来月は、またまたストーンリンクの田中さんとコラボします。zoomでの遠隔セッションも可能。イベントながら、落ち着いてセッションを受けていただけます。詳細は後ほど)。

動物園の見せ物のような状態だったと思う。

予想もしない状況の中で、周りからの好奇と嫉妬のエネルギーの中で、とにかくお一人15分で必要な情報をその方のオーラ、ハイヤーセルフ、アカシックレコード、ご先祖様やら精霊やら大急ぎでかき集めて、早口でリーディングしていく。同時にヒーリングもしていく。

大量に自分のオーラの中に入ってくる目の前のお客様のエネルギー以外のものを排除しながらのセッション。

いやはや、個人セッションの落ち着いた雰囲気とは全くの別物になるのが、こういう大きなイベントでのセッションだ。

当時、1番「流行って」いたのが恋愛相談で、その次が親子関係、仕事。トランスジェンダーのお客様からは、「なぜ今生で自分がトランスジェンダーとして生きていくことになったのかを知りたい。過去生から何かヒントは得られるか?」というものもあった。

閉店時間を過ぎる直前くらいに、セッションとセッションの合間に目を開けた時に、他の人をかき分けて質問しに来たのが彼女だった。そう、彼女はここぞという時にチャンスを逃さない人。本能が働くんですよね。

「もう今から並んでも見てもらえないから良いんだけど、透視って先生の所で習えば誰でもできるようになるの?」と。

キチンとお返事する時間が取れなかったと思うのだが、とりあえず、人格を磨くこと、人にも自分にも誠実であることと、危険な薬物を摂取しないこと、精神科の薬の服用がないこと、真面目に課題に取り組めることができれば誰でも透視とヒーリングができるように指導できるので、「できますよ」と答えたと思う。

「ちょっと横でセッション見ててもいい?」と聞かれたので、「プライバシーがあるのと(とはいえ、イベントだから、完璧なプライバシーは確保できないんだけど)、お客様のオーラの情報と混ざってしまうのでご遠慮いただいてる」とお答えした。「あ、そうなのね。わかりました」と去られた。

そのまま次のお客様を対応。目を開ける暇がない。

ただ、左側から何か熱いものを感じていた。

ふと左側に目をやると、彼女が少し遠くでしゃがみながら、じっとこちらを見ていた。

熱いのは食い入るように見る彼女の視線と好奇心だった。

パッと一目を引く綺麗な顔立ちと、華やかで力強い個性のあるオーラを持っている方でだった。一度会ったら忘れられない魅力のある方で、のちに、自分で事業を展開して、成功している方だと知った。

それから暫くして、PARAMITAの透視ヒーリングコースにお申込みしてくれた。ほぼ毎週、福島から新幹線で渋谷まで通ってきた。空っぽのスーツケースを持ってきていた。福島では手に入らない食材を買い込んで、新しいレシピの考案をするのだという。とてもクリエイティブなアーティストの顔も持っていた。

年齢を重ね、経験を積んだ女性が放つ優しさと余裕と包容力がある。40代を過ぎた女性が持つ若さでは敵わない価値が滲み出る人。

彼女は無事卒業して、直ぐにプロのヒーラー として活躍されている。

良い先生、講師というのは、生徒を自立させ、経済的にも成功することをサポート出来ることだと思ってる。「私の生徒です、うちのスクールの卒業生です」とか「うちのやり方だけでやらないといけない」「流派だ何だ」といつまでも縛ることはない。遡ることが出来ないほど遠い昔から伝えられてきた著作権などを超えた大切なものを尊重し、人として基本的なルールを守ってさえもらえば、自由に活動し、成功していっていい。

芸術の世界に入った20代のころから、そこは自分でも譲れないものがある。カタチとルールで縛ることで、本当の自由(もちろん、責任を伴うわけだ)を得られなくなるようになっては元も子もない。

スクールでは、ここだけは護って欲しいというものは提示するし、その理由も伝えている。護れない人は残念ながら途中で辞めていただくしかない。

さて、彼女は、透視リーディングとヒーリングを仕事にするという明確な目標があり、卒業する頃からセッション料金をいくらにするべきかについて質問してきていた。お金はもちろんだが、それ以上にかけたものが自分の時間と自己浄化の努力。これは、まさにvaluelessで価値がつけられないものだ。

セッションをする時には、きちんと料金を取るように全ての生徒さんにお伝えしている。ボランティアや安価で提供する性質のものではないから。

「でも、先生、福島ではお金はそんなに取れない。皆んな震災でお金も物も仕事も失ってる。亡くなった家族からのメッセージが欲しい人、これからどうやって生きていけばいいのかをセッションで知りたい人が沢山私の所に来るの。やっぱり助けてあげたい。」と。福島プライスで良いからセッションをしていくという結論になった。

彼女のような優しい人ほど、対価を取らないといけないと思う。お茶しながらちょっとリーディングしてアドバイスくださいという要望には応えてはだめだよ、と伝えた。他者の聖域であるオーラや身体の細胞を透視をして、エネルギーも動かすのだから。我々も気軽にはできない。セッションのために、日々、自己管理をしている。

毎年3.11になると、彼女、元気かな?と気になる。

先日の大きめの地震が来た時、久しぶりに連絡を取ったら、コロナで本業が続けられなくなった、と返事が来た。そして、今はスピリチュアルなことだけで収入を得ている、と。手に技術があって良かった、と話してくれた。今は遠隔で多くのことができてしまうので、場所代も要らなくなった。

女性が経済的な力をつけていくことは、日本という国の存続のためになくてはならないこと。会社に頼る時代は終わり、その身ひとつでどこでも、何歳でもできる技術があることは心強いし、実際に自分自身の生存の助けになる。

女性は一度に多くのことをこなすことができる。妊娠、出産、子育て、家事、仕事、マルチタスクができるように脳が設定されている気がする。だから、多次元を行き来したり、画像を解釈して分かりやすい言葉に置き換えて発言したり、相手の話を聞いたり、相手の思考を想像したり、エネルギーを動かしたり、、、と忙しい作業もこなせる。

もちろん、男性にその能力がないわけではない。男性でも右脳の働きが豊かな人は沢山いる。しかも、この数年でそういう男性が増えている。男性本来の直線的な瞬発力と力強さがそこに加わることで、更に良いワークができる。

女性が男性の優れた所を自らの中に見出し、育む時代でもある。

彼女は今日も、自分を大切にしつつ、強さとクリエイティビティと行動力をもって、家族やお客様など周りの人を支える存在でいるんだろうなぁ。

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