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体調がまだまだすぐれないのですが、もうイタリア行きが目の前に迫っていて、ひと鞍でも多く乗ってからトスカーナの田舎の馬場に行きたい。ということで、歩きながらも眠れてしまいそうなダルさではありますが、馬じゃなくて自分に鞭打って本日も乗馬クラブへ。
ひと鞍終えて、休憩所で窓の外の上級コースの方々をぼーっと眺めていると、「あ、私の席が空いてたわ〜」と、横におばあさんが座りました。息子さんに連れられて毎週来るのだとか。ご自身は馬には乗らないけど、馬と自然を眺めて、往復のドライブが気持ち良いのだとか。
とてもお元気な方で、朝と昼はミルクティーだけ。60歳から黒ビールに慣れるよう「勉強」したので、今は夕飯は黒ビール2杯、ビーフジャーキー数枚、ピーナッツ3粒だけ。「それでも人間は生きていかれるの。馬鹿とチビとブスは長生きする、と周りに言われてるわよ〜」と。89歳。頭が下がります。私が咳き込むと、背中を撫でてくださいました。ありがたや〜
「私はこの席が好きなの。綺麗な花壇があるから、馬が馬場にいない時も楽しめるし、緑の景色がいいわ〜 あのね、難しいこと考えちゃダメね。流れるように生きるのよ。楽しいこと見つけて、それをやってればいいのよ。そうしたらね、いつまでも楽しく生きれるわよ」と。そのお言葉と横顔から、時代を生き抜いてきた忍耐力と包容力を感じました。
陸軍士官学校の教師を旦那さんに持ち、刃物で脅され、暴力の毎日。「逃げる、とか、離婚とか、そんな考えさえ起きない時代よ。実家に帰る汽車の切符なんて買うお金ないものね。あはは。人殺しと毎日生活を共にする。ただ従うだけの結婚生活。でね、意外と早く夫が死んでくれたから、今はお陰様で年金あるし、住宅もある。この部屋の冷房は寒いけど、私の懐は、寒いことはないわ。まあ、涼しいわ。生きることに困らないわ。息子達がいい子に育ってくれた。お嫁さんも良い方でね。嫁いびりなんて考えも起きないわ。」と。
「ドライブして、お馬さんに人参あげて、あんな風に木々が笑うのを見て、これ以上の幸せはないの。怒るとか、誰かを恨むとか、そんな感情はとっくの昔になくなったわ。いまはね、楽しいだけ。今晩も黒ビールよ♫」とニコニコ。
「人生ってね、気楽になって、全てを受け入れた時に、案外良いもので囲まれてることに気づくのよ」と。
私達の前を、ふわ〜っと大きな綿毛が飛んで行きました。おばあさん、すかさず
「ほら、もっと高くね、高く飛んでね。馬場に落ちても芽は出ないわよ。向こうの林の方に行きなさい」と綿毛に話しかけました。すると、風に乗ってぶわんと舞い上がり、馬場を超えて行きました。
そういえば、この数日は毎日白い羽か綿毛をみています。
8月15日。戦争を経験している方にお会いして、とても大切なものを頂いた気がします。
私も落馬して馬場に落っこちないよう、人生の手綱もしっかり握り、アブミも踏もうと思います。今日もカカトが上がってる!と指導員に注意されました。はい、容赦ないですね、乗馬の世界。命に関わるし、できない、と泣いていても「あ、じゃ、もう来なくていいよ」の世界ですから。強くないと馬をジャンプさせる障害リレーなんて出られません >_<
落ちるのを怖がってるだけじゃ落ちます。成長しません!落ちないように工夫して、練習するしかない。優雅に馬を乗りこなす日はあと何年後にくることやら。。。
ま、でもいいんです。私は馬や指導員さんや自然から多くのことを毎回学びます。人として、女性として、講師として、ヒーラーとして、母として。
あんな笑顔とエネルギーで80代を生きていたら最高だと思いました!










